近視進行抑制治療
”院長ブログ”という名の”副院長ブログ”です。
院長ブログ、2回目にして久々の投稿になってしまいました。今年最後のブログになるかと思いますが、来年2026年はもう少し発信していきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
今回のテーマは、前回同様、当院で特に力を入れている診療の一つ“こどもの近視”についてお話していきたいと思います。
ご存知の方も多いかもしれませんが、近視の発症の低年齢化が世界的にも問題になってきています。当院でも、就学時検診や学校検診の視力測定で再検査と言われたので来ました、というお子さんが多くいらっしゃいます。
視力検査は自覚的検査であり、大人でも日によって変動があります。眼科で再検査をして問題なければ良いのですが、日常生活で家族も本人も気付かぬ間に、実は近視が始まっている(目が悪くなっている)ケースが少なくありません。
近視が始まると、裸眼視力が1.0未満となります。もちろん、矯正視力が1.0以上あれば視機能の発達上は問題ありませんが、特にこどもの場合、裸眼視力0.1や0.3でも“見えづらくないですか?”とこちらが聞いても、“ちゃんと見えてます!”と自信満々に答える子が数多くいます。当然、保護者は“えー!そんなに見えていないの?”と驚かれてます(大人がこの裸眼視力であれば、いち早くめがねやコンタクトレンズを作りにいきますよね)。
近視の有病率は小学生で30%以上、中学生で約50−60%程度と言われております。また、世界的には前近視(pre-myopia)“将来近視の発症の可能性が十分にある眼”という概念も出てきております。“いかにして近視を発症させないようにするか“、”近視が発症しても、いかにして進行を抑制するか“と言うのが、我々眼科医の使命でもあります。
では、なぜ近視の進行を抑制する必要があるのか?
それは近視によって引き起こされる重篤な病気が多くあるからです。
以下に、疾患別に表でお示します。
|
オッズ比 |
正視眼 |
軽度近視 |
中等度近視 |
高度近視 |
|
近視性黄斑症 |
1 |
13.57 |
|
845.08 |
|
網膜剥離 |
1 |
3.15 |
8.74 |
12.62 |
|
開放隅角緑内障 |
1 |
1.59 |
2.92 |
2.92 |
※新編眼科プラクティス 20 近視トータルマネジメント-生涯良好なし機能を保つために より
※オッズ比とは“数字が大きければ大きいほど、病気との関連性が高い”ことを意味します。
※軽度近視>−3D,中等度近視―3D〜−6D,高度近視<−6D
現在、近視の進行抑制治療には低濃度アトロピン点眼(リジュセアミニ®︎)、ハードコンタクトレンズ(オルソケラトロジー)、ソフトコンタクトレンズ(多焦点ソフトコンタクトレンズ)、レッドライトセラピー、近視管理用眼鏡等があります。
いずれの治療も、眼軸の伸長に伴う近視の進行を抑制する治療になります。
当院でもお子様と保護者の方に視力検査の数値のみならず、同年齢の眼軸の平均と比較してどのくらい長いなのか、またどのように推移しているのかを、一緒にグラフを見ながらご説明し、治療の必要性を理解していただけるよう努めております。
また、近視進行抑制治療を行わずに経過観察をした場合、どのくらい近視が進行することが予想されるかなどのグラフも一緒に見てもらいながら、ご説明しております。
Brien Holden Vision Institute (BHVI)のmyopia calculatorより
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現在、当院で取り扱っている近視進行抑制治療は
- 低濃度アトロピン点眼(リジュセアミニ®︎)
- 多焦点ソフトコンタクトレンズ
(クーパービジョン社のMisight®︎ 当院では来春販売予定)
- レッドライトセラピー(Eyerising社)
となります。少し長くなりますので、①〜③の詳細は次回年明けにアップさせていただきます。
さて、2025年は当院でも近視進行抑制治療に注力し、また瞳孔を開かずに約130°の眼底を撮影できる超広角眼底カメラ(Zeiss社のClarus®︎)、網膜光凝固術・後発白内障レーザー・選択的レーザー線維柱帯形成術を1台で行えるレーザー(ellex社のOPTIMIS FUSION™)を導入致しました。
2026年も、より一層患者様に安心安全かつ高度な医療を提供できるよう努めてまります。
秋野眼科医院の公式インスタグラムでも、2026年からは秋野眼科医院の情報を発信していきますので、是非フォローをお願い致します。
来年も何卒宜しくお願い申し上げます。
少し早いですが、皆様良いお年をお迎え下さい。
